ミミック

LOVE LIFEのミミックのネタバレレビュー・内容・結末

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭から漏れてくる不穏さとヒリヒリ感が深田作品を見てるなーって実感する。彼の作品を見てると何となく、日常生活における人との付き合いで流れる空気により敏感になれる気がする。劇中の黄色の配色だったり、ベランダから室内を映した時に窓に映る団地の背景だったり、やっぱり日本の監督でこういうショットを撮れる人って少ないと思う。今作で言うとイ・チャンドンの映画に近い雰囲気があった。

今の複雑な現代を描くには、登場人物の背景もより複雑化し、より多様な人物造形が求められる。レンタルDVDにはバリアフリー音声ガイドや字幕表記があって今後のスタンダードになると良い。

ポスターの場面が一番色んな感情が詰まってて、木村文乃が韓国のトロットに合わせて次第に踊るバックショットも含めて今作のハイライト。本当に人って分かってるようで全然分かんないもの、だからこそコミュニケーションが大事。手話は互いが見合わないと成り立たない事からも、目を合わせることの大切さを痛感した。

息子が死んだばかりなのに夫は元カノと会ったり、妻は元旦那を義理の親の部屋に使わせたり、この夫婦気持ちの切り替え早すぎないかとは思ったけど、2回目見たら前後にその行動をとるきっかけみたいなアクションはいずれもあって、気持ちの流れが繋がるよう細かい演出がされていた。

ハト避けにぶら下げるCDってもはや日本くらいしかやってないのかな。あと、あの反射の光があんな向かいの棟までくっきり届くもんかね。
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