かーく

野球部に花束をのかーくのネタバレレビュー・内容・結末

野球部に花束を(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かった
野球ではなく野球“部”、部活であることに焦点を置いた作りなのがいい
甲子園を勝ち抜くとか恋愛とかではなくひたすらに部活動の話
人によっては里崎さんのあるある解説がちょっと鬱陶しく感じるかも
運動部でなくとも例えば学園祭、体育祭、何かに熱を入れて打ち込んだ経験がある人みんなに刺さるあるある青春話ではないでしょうか

長い目で見たら朝練より中間試験に力を入れるべきなんですよね
でも嫌々ながらも上が怖かったり周りもやってるからと参加して、だんだんそこにやりがいを感じてしまったりして
途中主人公が3時間トス上げの練習をしたなんて言ってるシーンがありましたけどあれとか側から見たら「なんでそこまで?」と疑問に思われるでしょう
頭おかしいと思われるでしょう
でもそこには間違いなく達成感や充足感があり、あんなに怖かった先輩と笑い合った瞬間に「ああ頑張ってよかった」と思える
それが青春と呼ばれたりするんですよね

あの場にいるメンバーで将来野球関係の道を行く子はほとんどいないでしょうね
でも学生生活ってそんなもの

また理不尽で怖い顧問や先輩ですがあんな部活に愛着を持ってしまうのも納得できるいいバランスで描かれているところも良い
グラウンド整備でおっかない先輩の行きすぎた指摘をまた別の先輩が「あの人おかしいから」と笑ったり、顧問の手が血豆だらけで3年引退時は一礼して去っていったり

あるあるネタといえば先輩の立場になった瞬間に偉そうになる同期やいつの間にか先輩のやり口が身についてしまっているあたりは社会人でも身に覚えがある人が多いのではないでしょうか

くすりと笑えて昔を思い出してちょっと熱くなって
この夏に見るにぴったりのいい青春映画です
かーく

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