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かがみの孤城のmimiのネタバレレビュー・内容・結末

かがみの孤城(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

原作の完成度が非常に高く、どうしたって2時間で原作の魅力を伝えきることはできないけど、原作未読の人に聞いたらある程度きちんと伝わっていたようでよかった(原作がすごくいいので心配してしまう)。

いじめの描写、しねって言われるところ、言葉が急にものすごい速さの弾丸になったみたいに、心臓にどんと重たく刺さった。こわかったよね、あんなふうにまっすぐ自分にむかってそんな言葉が放たれるなんて。思ってもみなかったよね。

レビューじゃなくて個人的なことになってしまうけど、中1のとき、いじめっ子から「しねばいいのに」って言われたのずっと覚えてる。男の人にアキちゃんみたいに追いかけられたのも覚えてる。こわかったよね。

萌ちゃんとアイスを食べるシーンもよかった。萌ちゃんの「ああいう人たちは20歳になっても30歳になってもあんな感じなんだよ。バカにしてるっていわれたけど実際そうだよ」というようなセリフもよかったけど、どっちが正しいって描きかたをしないのがよかった。こころちゃんにはこころちゃんの捉えかたがあって、それは全然大げさではなかった。萌ちゃんには萌ちゃんの捉えかたがあって、それもまた自然な印象だった。これは人物が描けているから思えることだよね、きっと。もちろん、それでこころちゃんの心の視界も広がるわけだけど。

まんがの帯にも使われてた「大丈夫だから、大人になって」ってセリフが大好き。大人になってもくるしいことはあるけれど、ここで待ってるよって。わたしが働くときに想像する彼女・彼らと、中学生のころのわたしを思い浮かべて手を差しのべたくなる。やっぱり涙なしには観られなかった。
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