みのうぐん

かがみの孤城のみのうぐんのネタバレレビュー・内容・結末

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

賛否両論だけど、個人的にはめっちゃ良かった。

この作品に否定的な意見を持つ人は、きっと現実でも希望が欲しいタイプかなと思った。

本作は、現実の世の中に何の期待もしていない諦観が漂っているので、それをどう捉えるかで評価が分かれる。

学生の頃のいじめとか不登校を題材にした作品って「大人になったら大丈夫」みたいな展開が多いけど、氷河期世代の非正規独身男性の本当に悲惨な現状は、フィクションですらどうやっても希望を描けないから、「かがみの孤城」って、実はそんな限界中年男性に対してめっちゃ残酷な現実を突きつけている。

ぼく自身は、人間という存在に何の期待もしていないので、この世から戦争も虐待もいじめも性犯罪も組織犯罪も消えることは未来永劫無いと思っている。

『かがみの孤城』は、そういう人向けの作品かなと。

いじめの問題って、それが犯罪に該当する行為以外は、その時の世論によって、加害者側と被害者側の有利不利のパワーバランスが変わる。
今は、世論的にもネット環境的にも割と被害者側が有利なので、都会の学校ほど不登校の生徒が増えるのも当然かなと思う。

原作をまだ未読なので、そちらも読んでみようと思った。