ゆず塩

かがみの孤城のゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ:不登校のこころは、フリースクールにも通ぬ日々を送っていた。ある日、鏡が光り吸い込まれる。辿り着いた先は城で、6人の子供が待っていた。城の主人らしき少女が「城に隠された鍵と小部屋を見つけられれば、願いを一つ叶えることができる」と言うのだった。】

鍵を探す話かと思いきや、そうでもなく。
鍵を探す冒険では無く、何をする話ってわけでもない。
不登校の理由とか、その理由と向き合ったり、城の子供との交流ってところ?

子供がみんな訳ありなせいで、情報を隠したまま進む。
だから、その情報を小出しにされて行くような話。
と言う印象。

【テーマ:いつかきっと良い日が来る】
苦しい日もあるけど、頑張って生きよう、とかそんな所?
陳腐な文になっちゃうな……。
でも、人生に絶望しないでね、とか。大人になればいつかきっと違った見方で世界が見えるよ。とか。
そう言うことを子供に伝えたいんだろな。

【好きなポイント!】
自分は、そこまでキツイ生活を送ってないので色々分からないけど。
『(習い事に行きたく無いから)頭が痛い気がする』とか『(先生が怒鳴ったり殴ったりしてくるのが怖いから)頭痛い気がする』と言う過去の体験は思い出した。
だからそこに刺さって、不登校に対する気持ちが少しわかったので、好きな映画になりました。
……大人の方が昔の感傷とかに浸れて楽しめる作品なんじゃ無いかなぁ。
そう言えば、引きこもりとか、不登校の設定の物語って色々あるけど、こころの不登校はなんだか一番しっくりきた気がする。人間関係で辛くなるよね。

好きな作品ですが、あまり面白くは無いかも、人を選ぶと言う印象。


【感想】
見る前に危惧してたのは、訳ありの子供6人と言う点。
訳ありの子供6人って多すぎ!と不安だった。
まともに6人の話やったら駆け足にならざるを得ない、と。
でも、その点は全く問題なかった。
6人が抱える事情を解決するって感じも、ありそうで無い。
城とは別の事情で問題は解決したり解決しないけど、「離れ離れになっても私たちは大丈夫、また会おう!」って感じでフワッと終わった。

他6人の事情をダイジェストでラスト種明かし的に見せてなんとなくスッキリした印象でした。
無理に、それぞれの悩みの種を解決しなかったのが逆に良かった。

こころの友達?、東条さんも、なかなか大人びていて良いキャラだった。
見ていてスッキリ。大人びすぎな気もするが。
現実世界のこころの問題は、トントン拍子で解決しすぎかもだけど。
と言うか、リアルに地味に解決した感じ。
城の出来事と関係ある様な無いような。一応、城で仲間と触れ合ったからセラピー的な効果があったって事なんだろうけど。

子供たちの過ごしている年代がズレてるのは見ててわかるから、みんな早く気づけ、と焦ったく感じた。
みんな名前をフルネームで言え、とか。
物語の都合上仕方ないけど。
オオカミ様の正体とか、鍵のありかは全然わからなかったけど。

暗くて地味なお話なのと、情報開示の焦ったさが気になる。
主人公が何をするわけでも無いってのも気になる。
あと、一番きつい状況のアキが……。
城の生活を通した1年でなにも変わってない気がして。大変そう。辛そう。
虐待サバイバーでしょ。
唯一、良い大人になったと言う未来の事実だけが希望で。
本当、虐待サバイバーとか……辛すぎる。
ゆず塩

ゆず塩