湯っ子

かがみの孤城の湯っ子のレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.8
たぶん泣くよなぁと思っていたから、タオルハンカチを2枚カバンに入れてやってきた近所のシネコン。客席には、10代の子たちが友達や親御さんと一緒に来ていたりして、ああこんな若い人たちとこの映画を一緒に観られるのだと思うと何か感極まるものがあり。始まる前から涙ぐむ私(家族には「安涙」と言われております)でしたが、まんまとタオルハンカチが1枚ぐちょぐちょになりました(午後から仕事関係の人と会う予定があったから、もう1枚は死守)。
つい先日の「ハケンアニメ!」でも語られていた「誰かに刺され、誰かに届け」をこんなにもまっすぐに伝えてくる作品があるでしょうか。
かつて子供だった大人たちが、現代を生きる子供達のために本気で作った映画でした。私の中で、少女の私と大人の私が抱き合って号泣してました。
映画の始まる前に、でっかくあらわれた「日テレ」の文字を、少しだけ冷ややかな気持ちで見ていた私。だけど。
映画館に友達や親御さんとこの映画を観に来られる子たちは、たぶん大丈夫な気がする。もちろん、その子たちにとっても忘れがたい映画体験になったと思う。でもでも、本当にこの映画を必要としている子たちの中には、映画館に来ることができない子もたくさんいるかもしれない。っていうか、たくさんいると思う。
でも、日テレの制作ってことは、映画館での上映後に、きっとテレビ放映をするでしょう。それは必要な子たちにこの映画を届けるとても有効な手段。ぜひぜひ、日テレさんは、本作をばんばんテレビでやってほしいものだ。
そのために、口コミで「これは良い映画だよ」ってことを広めなきゃ。私もせっせと会う人に言おうと思う。フォローしてくださるみなさん、できれば観てほしいけど、もし観なくても、この映画がとっても良い映画だと主張してたレビュワーがいたことだけ、頭の片隅に入れといてください。
湯っ子

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