Aya

かがみの孤城のAyaのレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
3.5
#twcn

普段の生活はかけがえのないものと再認識させてくれる担当の原恵一監督。

原作がそうなのかもしれないのですが、あっと驚く!ドンデン返しとかトリッキーな話ではないけど伏線の回収がエモーショナルでアニメらしい演出なのが気持ち良い✨

かがみのなんちゃら…
すずめのなんちゃら…

に、似てるよね?!
何度か間違えそうになったのですが回数が少ないこちらが原恵一監督の方ですよね?!

原恵一監督大好きなんです。

"はじまりのみち"次いで観た"クレヨンしんちゃん〜大人帝国の逆襲/戦国大合戦"でもう干からびるほど泣かされまくり"colorful"はちょっと独自ワールド過ぎたけど"百日紅"でまたくぅ!かこいい女性主人公!!と。

生活する上で当たり前のこと大人になる為に当たり前のことを丁寧に描写し、それぞれの事情を分かりやすく示すことで『その気持ちわかる!』と身近に感じるキャラクターを描き動かせたらピカイチ。

ってことは『あっと驚くようなトリックがない』という印象は原恵一監督の標準装備なのか…勉強不足でサーセン!!!

なんかね、1日1回の上映なのと日曜日やったからかお客さん結構入ってて。

わたしは字幕を読む目線(左から右)の関係で字幕のある映画は必ずスクリーンに向かって左側に座るんですね。

でも字幕のない映画…空いてる席が前2列くらいしか無ぇw
ということで珍しく一番右端の席に座りました。

真後ろの席の女性2人組がガサガサと豪快にポップコーンを食べたり結構聞こえるボリュームで喋ってたりしたので振り返ってみてしまった(怒ってない)

そしたらね、後ろからそこそこ大きなイビキが💤
また振り返ってみたらもう完全に寝てはってwご友人と思われるその隣の席の方が一生懸命ツンツンしたりユサユサしたりしてはってw

でも全然起きはらへんねんww
そんな暇な時間あったかな⁇

みんなが自分のことを語り出したり、どちらかと言うとここから話が動き始めるっぽいからええとこ見逃してしまうよ!と思ったw

お隣の方すごく頑張って起こしてたのにw
起きはったのはそれこそ3月の半ば以降だった…ラストは見れたかな??
優しいお友達さんやね✨

まぁ、映画中に寝るのって体調の問題やと思います(少なくともわたしはそう)
どんな面白い映画でも寝るときは寝るし、どんなクッソつまんなかったり静かやったり何も起きない映画でも起きてるときは起きてる。

両者とも怒るひとは怒るレベルのボリュームでしたが、わたしはこんなにひとがたくさん入ってる回の映画を見るのが珍しいのと他の観客のリアクションとか見るのも好きなのでちょっと面白かったですw

7人の不登校中学生たちが6月頃に突然、鏡の向こうの世界の"弧城"に吸い込まれるa.k.a召集される。

3年生のあきちゃんが7人目の1年生こころちゃんが来て7人揃ったときに『待ったわ』とか言うてたけど1時間てw

この孤城の道先案内人は自称オオカミ様。
ロングヘアに狼の仮面を被った小学生くらいの女の子。

彼女が言うには9-17時というバイトみたいな時間帯でこの孤城に隠された鍵🗝を探し出し7人のうち1人だけの願いが叶えられる、期限は3月末まで。

孤城は海に囲まれた広い西洋風のお屋敷。
リビングからのびる螺旋階段を上がるとその先の2階には1人づつ名札の書かれた部屋があったりキッチンやバスルームもあるが蛇口を捻っても水は出ないらしい。

はっ?!ひょっとして先々週の雪の日なんじゃ…

は、置いといて、なのでお家からママンの手作りのお菓子やケーキや自分で入れたお茶を持参してこのお屋敷の食器を使うことは可能。

PSPでゲームする子、将棋の本を読む子、メンバーを好きになりアプローチする子、得意のピアノを弾く子、そして鍵を探す子等々それぞれ好きに過ごしているよう。
みんなで人生ゲームしたりね。

自分以外のメンバーにアレしろコレしろと指図をする子はいないしお互いの持っているものについて『それなに?』とかのコミュニケーションはあっても家族の話や学校の話、本人が語り出さないことについてあまり言及しない。

自分も同じように聞かれたくないとも取れる。

ただ9-17時にこの孤城に来るということは少なくとも学校には行ってなさそう。
途中でフリースクールの話題が出ても『フリースクールってなに?』という子はおらずそこに通っている、という話に驚きもなく何人かは自分の話を語る。

リーダーっぽい役割の子がいたり他人を若干馬鹿にした態度をとる者バカにされるポジションの者もいたり7人しかいなくともここにもカーストの匂いを感じざるを得なかったのはすこし悲しくリアルでした。

鏡の中でも映画の中でもハピハピランド一辺倒は群像劇として面白くないもの。

ただ今回はそれぞれの理由がしんどいのでハピハピランドの方が好みでした。

主人公のこころちゃんは学校で増田さんという女の子とその取り巻きからのイジメに苦しみ登校時間になるとお腹が痛くなり母から「また?」と言われながら毎日お休みをしている。

以前は転校生のもえちゃんと仲良くしていたけどそのもえちゃんすらこころちゃんに見せつけるように掻っさらい孤立させられる。

この増田さんて古き悪きカーストの上位の女みたいな感じ。
頑張ってその話を親や先生にしても『誤解・行き違い』といった日和見的な発言しかできない担任。

難しい…俺たち観客みたいこころちゃんの傷ついた気持ちとか増田さんの悪事とか直接見てないし先生にとってはどっちも生徒だから公平に話を聞かないといけないけど、、、増田さんタチ悪いよね。

『死ね』って絶対に言っちゃダメだし映画に登場させる台詞としても悩んだのではないでしょうか?
映画でしかも日本語で聞いたのは久しぶりかもしれない。

わたしは仕事柄口にしない言葉なので過敏になってるからか増田さんがこころちゃんに『死ね!』って言う度にめちゃくちゃ苦しかった。

第三者のわたしがこんなに苦しいんやから言われた本人はどれほど傷ついたか…

そらお腹痛くなるって。゚(゚´Д`゚)゚。

増田さん側の事情とかは特に描かれないので敢えての記号化かもしれないですね。

でも予告見てみたらさ、こころちゃんは『生きる』っということに言及してるからこの映画はわりと生き死にという重いテーマを背負ってるのかもしれない。

この孤城のルールに戻るけど🗝を見つけたひとひとりだけ願いが叶う。
そして願いが叶ったあとは皆記憶が消える。
そして9-17時の時間を破って元の世界に帰らなければオオカミに食べられてしまう。

この少女でも歩くルーブル美術館でもないもっともっと大きなオオカミに。

そして願いが叶ったあと7人はこの孤城での記憶はなくなると後出しで言ってくるオオカミ様。

学校に行かない理由は出てくるひとと割愛されるひとがいるので理由というよりは『信じられるひとが周りにいるか問題』かも。

元の世界に帰ったからって大人の階段登ったからって解決してない子の方が多いし。

パッキンの子とかサッカーの子とか男子チームが特にわからん…

いや、ちょっとあきちゃんのエピソードしんど過ぎるでしょ…なんでいきなり制服で孤城に来たのかと思ったら…そりゃ中学生が制服着るのなんて学校と〇〇しかないよね…

わたしこういうの神経質だから注意書きとかあってもよかったかも…思い出すだけで泣きそう。

そりゃそうだよ‼︎
学校にも行けないし(理由は特に出てこない)家にはいられないならこの鏡の孤城以外の時間彼女はどう過ごしていたの⁇

どう生き抜いていたのか⁇

どうやって生きていけばいいんだよまだ中学生だよ馬鹿野郎…

でも彼女のその後についてはわりとすぐに分かるので『大丈夫。大丈夫』と自分に言い聞かせながら見てました。

だからって過去のこととして忘れてはいけない。
ああいった経験を踏まえてあきちゃんはあのような大人になったのかな、と説得力がありますがキーアイテムと思われるアレは地味過ぎて分かりづらいです。

奇しくもこの日のあきちゃんの制服に7人全員見覚えがありある共通点が明らかになる。

制服から始まり鏡の外のそれぞれの話を話し始める中、起こる誤算と見つからない🗝

そしてあきちゃんがあるルールを破ってしまい…

ここからの展開はエモーショナルでグッときたのですが論理的によく分からなかったです。

でも涙ボロボロ(T_T)
いままで楽しそうに孤城で過ごしてきた7人の鏡の外の世界のでの生き苦しさとそれでも生き抜かなきゃと決意新たに行動を起こすこころちゃん。

そしてオオカミ様の正体…こどもの話とナメてはいけない。
こどもだって必死に生きている。
こどもだっていつ死ぬかわからない。

そんな画風とファンタジックな見た目とは裏腹の重いお話でした。

ラストのたたみかけと大ヒット御礼オマケ画に見事に泣かされました。
Aya

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