ひでG

かがみの孤城のひでGのレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.0
テレビ放映を録画し、久しぶりに妻と一緒に視聴。
原作は本屋大賞最多得票を獲得した辻村深月さん。未読なので早く読んでみたい!
監督はアニメ界の巨匠原恵一さん。
制作は「心が叫び合っているんだ。」の
A-1Pictures。
これだけのお膳立て、公開時の評価もとても高かった映画。
その期待値を超えて行く素晴らしい作品でした!

原恵一監督は、「現実には『かがみの孤城』はないので、僕らが何かしらそういう子どもたちのことを忘れずに、何かできることをやっていきたい。」と語っていました。

こころをはじめ、この作品の登場人物のように、学校に行けない児童生徒が299048人(23年10月調べ)もいる。前年比で5万人も増えているとのこと。

こころは、いじめによって学校に行けなくなったが、不登校の原因はひとりひとり違っているだろう。

本作では、かがみの孤城に集まった7人の苦しみをすぐに語らずに、月日が淡々と進んでいく。
そして、最後の最後に、一気にそれらが顕になる波🌊
映像の力強さ、絵で見せる説得力が詰まった見事で、悲しく、切ない場面だった。

部屋の中の鏡とその先の孤城
隠された鍵とたった一つ叶う願い
学校に行けない7人の中学生
狼の仮面を被った案内人の少女
午後5時までに帰らないと狼に食べられてしまう約束。

ファンタジーの要素が次々とさり気なく、自然に放り込まれていく。

それに対して、こころらの実生活は、リアルに重く、観客にものしかかっていく。

孤城での友情で、その多い実生活を切り拓くのだ!彼らは外(学校)で会おうと約束するが、、、

オーソドックスとも思えるファンタジーの設定が実は、時空をも超える複雑な世界だった。

孤城で出会ったある人がこころと巡り会ったと分かった時、感動の頂点に達し、落涙した。

評判通りの完成度も高い見事なアニメ映画でした。
やはり、原作を読みたいです!
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