法月

かがみの孤城の法月のレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.2
さすが原恵一監督! 素晴らしい! 大好きですこの映画!

原恵一監督の前作「バースデー・ワンダーランド」があまりにも期待外れで、ここでもボロクソに貶してしまったんだけれど、今作は良かった、ホントに良かった!

欠点はあります。第一に絵ヅラの凡庸さ。キャラデザもいわゆる今時アニメ風で個性がない。大半の舞台となる城にも魅力はない。
美術が弱いんだよね。丁寧に描かれてはいるんだけど...

けど、その欠点が気にならないほどの魅力が本作にはある。
繊細な主人公の心理描写、心の動き、主人公こころが愛おしい。他の、城に集まるメンバーも愛おしいのよ。
実写以上にアニメで生身の人間の心の揺らぎを巧みに描く、これが原監督の持ち味だと思う。

そして脚本の上手さ。
「私は最初からいっぱいヒントを与えてるのに。考えなさい!」
その通りで、物語が進んでいくたびにあぁそうか、そういうことかってなる。それが心地いいのよ。謎解きの面白さがあるのよ。
もちろんこれは原作の良さでもあるんだろうけどね。
(ルーズソックス履いたアキが出てきた場面でも、「あ、最近また流行ってるらしいからな...と思ってしまった自分(^-^;...)

これ、今現登校できずに苦しんでいる十代の子たちに深く刺さる作品だと思う。安易な励ましでも啓蒙でもなく、少し別の視点で世界が見えたり、ちょっとは気持ちが軽くなる作品だと思う(オッサンの勝手な思い込みですけどね)。

繰り返しになりますが好きですこの作品、断然推しです!
フィルマークスでは思ったほど点数高くないみたいですが、自分は自身持って高得点つけます。
多くの人に観てもらいたいです。

毎日一レビュー連続チャレンジ 043
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