あい

ある惑星の散文のあいのネタバレレビュー・内容・結末

ある惑星の散文(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「目は口ほどに物を言う」を映画で捉えたような、想像力(がもたらす映像と私の間に生まれる奇跡)を刺激されるいい作品でした。
ここで言う「目」とはカメラのことで、カメラが追う情景や拾う音、そして人物。
それらが複雑に絡み合って、私たち観客に「想像力」を訴えます。

ドラマという分かりやすい柱には縋れずにいると不安になりますが、私の想像力は私の所有物なので、不安になる必要はありませんでした。

風景があり、人がいて、風景はかつて別の姿をしていた。時代の流れと共に人も変わっていて、私はその風景だけでは、過去にいた人を明確には思い出せない。
しかし、確かにいたのだ。鍵のかかっていない自転車があったのだ。
同様に、立っていた舞台、忘れてほしくない景色、人の中にも、存在の痕跡が残っているはずである。

しかし、忘れられてしまうから、人は繋がり、痕跡を残そうと必死に生きる。

という人がいたことを、私は忘れてしまうだろうが、時々は思い出して(思い出したと認識するしないに関わらず)背中を押してくれるだろう。
あい

あい