若手映画監督と交際し、自身も彼の作品の脚本を担当しているルイ。ルイは彼との同棲の準備をしているも、すれ違いが続き不和ができ始める。
舞台役者を辞め、喫茶店で働くもまだ役者仕事に未練がある芽衣子。ある日兄に呼び出され田舎の父親にボケの兆候があると告げられ、田舎に帰ることを促される。
横浜の陸の孤島本牧で、そんな二人の女性が惑星のようにたまに近づき、離れ、また近づく。とまあそんな話。
地味オブ地味の、純文学的なストーリー。
週末のミニシアターのレイトショーにぴったりの作品。
南Q太とか初期の浅野いにおとか、そこら辺が好きな人には刺さりそう。
観る人自身の、過去に体験した選択、行き詰り、倦怠、諦め、決断などの出来事やそのときに感じた思いをルイと芽衣子に投影しつつ、本牧の独特な都会の田舎的空気と共に感じて欲しいんだろうなぁと感じた。
自分はあいにく脳が騒がしめの人種ゆえ、こういうアンニュい映画を真っ向から受け止めてやれないのが残念。
個人的には芽衣子パートの、拾得物横領した自転車で道交法違反的な乗り方をして閉館した映画館に建造物侵入して、思い出を語り合うシーンが印象的でした。
映画館で芽衣子がスクリーンの前に立ち、かつて演じていた演劇の台詞を喋るシーンは映画館で見ると本当にそこに居るような感じがするのだが、現実のスクリーン上には等身大よりやや大きめに投影され、アイレベルもリアルより上なので、なんかでけぇ女が空中浮遊してわけわかんないことずっと喋ってるように見えてしまった。
そんな映画体験もそれはそれでおもしろい。