kuu

運命のイタズラのkuuのレビュー・感想・評価

運命のイタズラ(2022年製作の映画)
3.6
『運命のイタズラ』
原題 Windfall.
製作年 2022年。上映時間 92分。

大富豪の別荘に侵入したある男と、持ち主夫婦が鉢合わせする様子を描くアメリカンサスペンス。
(短編作品の様でした)
監督と脚本を担当するのはチャーリー・マクダウェル。
ジェイソン・シーゲル、リリー・コリンズ(今作品の監督とは私生活では2021年から夫婦っす。また、彼女はミュージシャンのフィル・コリンズの愛娘)をはじめ、ジェシー・プレモンス、オマー・レイバらが出演する。

ある日、別荘にやって来た実業家とその妻が、家の中に見知らぬ男がいるのを発見する。。。

今作品を製作するにあたり、ジェイソン・シーゲルは、2020年に監督とのリモートでこの映画のアイデアを提案したそうです。
目標は、1つの場所で撮影できる小さなアンサンブルでストーリーってことで、コロナ禍では最適やろし、そんなこじんまりした作品でした。
ちょっとした小ネタもプチ笑えたかな。
例えば、彼らが一緒に見る映画は『サボテン・ブラザース』(原題: Three Amigos!1986年)。
これは、もちのろん、3人の友人を意味してます。
表面的には普通のダーク・コメディやけど、徐々にその層を剥がしていくと、社会における階級制度についてコメントするドラマを浮かび上がらせてました。
今作品の前提だけでも巧みなコンセプトやと思います。
3人を一つの家に閉じ込め、それぞれのキャラが持つ個性の相互作用に焦点を当て、映画が進むにつれてそれぞれの物語を明らかにしていく。
これは、メランコリックな笑いを誘いつつも、アホらしいけど入り込む会話を繰り広げる脚本があればこそ。
これを表現しているのは、登場人物の心境を表す感情的な深みを備えた素晴らしい役者陣かな。
また、象徴的な表現が見事に用いられ、この映画を詩的で悲劇的な皮肉に感じさせている。
今作品について表現すべき多くのポジティブな点がある一方で、悲しいことに、撮影の面でアイデンティティを欠いてるんも事実かな。
見た目も基本的なものであり、もっとリアルな外観があれば、この映画の居心地の悪さに(良い意味で)拍車をかけることができたんちゃうかな。
しかし、全体として、今作品は、巧みな脚本と巧みな俳優を伴って、階級構造についてのユニークな解説を提供してるし、面白味をサクッと味わえた。
完璧とは云えへをが、個人的には魅力的な作品した。
相変わらずリリーコリンズは可愛かったなぁ。
kuu

kuu