リプリー

グッバイ・クルエル・ワールドのリプリーのレビュー・感想・評価

3.5
時間がちょうど良かったのでなんとなくの鑑賞。
監督は「さよなら渓谷」「マザー」などなどの大森立嗣さん。脚本は「死刑にいたる病」「さがす(共同脚本)」とここのところえらく脂が乗っている気がする高田亮さん。

暴力というのは、本当に恐ろしいし、嫌なものだ。なぜならそれの行き着く先には結局死しかないからだ。さらに悪いことに人には暴力的な衝動がどこかに眠っており、繰り返すうちに理性より勝ってしまうことがある。行き着く先は死というどん詰まり感が理性を失わすのに拍車をかけ、一度ヤケになったら止まらず、ほとんど自滅に近い状態になってしまう。
だからこの手の映画のラストは、大抵登場人物のほとんどが血みどろになっている。
そして、僕はこの手の映画は嫌いじゃない。

何より個人的には、先述した暴力からくる負の連鎖をそのまま体現している宮沢氷魚&玉城ティナコンビは大のお気に入り。
この手の無軌道で破滅型な人物はどうしても嫌いになれないし、行く末を見守りたくなる。
なので、もう大変満足している。

確かにちょっとベタな洋楽選曲なんかはダサいと感じないこともなかったが、豪華役者陣による暴力にあふれた演技合戦は一見の価値ありだと思う。