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シャイロックの子供たちのEDDIEのレビュー・感想・評価

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)
4.1
人間の強欲だけでなく、弱みに漬け込む浅知恵など、一度不正に手を染めたら引き返せない恐ろしさを実に巧みに演出。
金に目が眩むのはとことん恐ろしい。
事の発端が銀行としては杜撰すぎるが伏線が回収されていく模様は実に気持ちが良い。

久しぶりの池井戸潤原作映画。
『アキラとあきら』は見逃していたので、『七つの会議』以来の鑑賞。

いやー、面白かった!

冒頭はなぜか主人公の阿部サダヲではなく、違う人物が登場して背景を解き明かしていくんですが、その伏線が後半にきいてくるんですよね。
構成が実に見事。

お金にまつわる不正が巻き起こる話ですが、舞台が銀行なだけに「そんなボロ出ないでしょ」って突っ込みたくなる部分もあるんです。
けど、それでも全体を通して各登場人物のキャラを生かしたり、背景設定を活かしたり、脚本部分も余念なく仕掛けを施していて飽きがこないのが素晴らしいなと。

何よりも柳葉敏郎ですよ。
彼の存在が際立っていましたね。柳葉敏郎が支店長役というのが作品としても生きていたし、彼特有の仕草・演技が面白さに繋がっていたのが良かったです。

ビジネス系エンタメ映画として文句なしの意欲作。ビジネス系好きな人にはおすすめできる内容です。

〈キャスト〉
西木雅博(阿部サダヲ)
北川愛理(上戸彩)
田端洋司(玉森裕太)
九条馨(柳葉敏郎)
古川一夫(杉本哲太)
滝野真(佐藤隆太)
鹿島昇(渡辺いっけい)
遠藤拓治(忍成修吾)
高嶋勲(近藤公園)
半田麻紀(木南晴夏)
松岡建造(西村直人)
所ヒカル(中井千聖)
沢崎肇(柄本明)
石本浩一(橋爪功)
黒田道春(佐々木蔵之介)

※2023年新作映画22本目
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