ブサ猫太郎

シャイロックの子供たちのブサ猫太郎のレビュー・感想・評価

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)
3.7
東京第一銀行の支店で起きた100万円紛失事件。営業課課長代理の西木は犯人だと疑われた北川を守るため、事件の真相を暴くことに。お客様二課の田端と共に調査を進めるうちに、10億円の不正融資に辿り着く。メバガンクの闇を知ったとき、西木は真っ当な行員で居られるのか…

銀行での100万円紛失事件で犯人だと疑われた北川を守るため、真犯人を探すことにした西木は、捜査を進めるうちに10億円の不正融資を明らかにしてしまう…

映画館で観たいと思いつつもタイミングを逃してしまった『シャイロックの子供たち』。Amazonプライムで観れるということでようやく視聴!阿部サダヲさんをはじめとして豪華なキャストと池井戸潤先生の魅力が詰まった安定した面白さ!!

ストーリーは不正融資を暴き、それを企てた奴らに仕返しをするシンプルな展開。『半沢直樹』みたいな銀行の小難しさはないのも嬉しいところ。誰がどういう計画を企てたのか、犯人にどう復讐していくのか、そして最後主人公たちはどういう決断をするのか。銀行を舞台にしたミステリーを一発で理解できるので、観終わったときの満足感がある。

不正を受け入れたら最早まともな行員ではいられない。どんな仕事にでも当てはまることながら、それに対して主人公たちはどう向き合うのか。なぁなぁに染まっていくのか、やってしまったことに対してケジメをつけるのか。それぞれの選択がきちんと描かれており、人としてのあるべき姿が感じられた。

その一方で、結局お金は受け取って銀行を辞めることで一段落させるというある意味逃げの選択をした西木の人間味もラスト良い味を出していた。