ユリちゃん…別人になっちゃって…。
本作の2人の関係性に限らず、カップルや家族、同僚やどんな間柄でも礼儀は必要だということで。好意的でもあるし、嫌いでもあるなんとも言い難い人間の性というものをまたもや吉田恵輔は描いてくれた。
ここ数年でホットになったYoutuberという存在に取り扱ったことも興味深く、良識のない匿名に常に評価され続ける舞台を戦場として身を投げ打っていく優里が憐憫である。そんな荒波だからこそ獲れる利益と承認が彼女を炊きつけて、暴走する人間性を振り回していく。作品自体は職業自体を否定するものではなく、一過性のコンテンツ自体に励む事はほぼ全ての人に共通する凡庸な今を直向きに生きることに通ずる。
簡単に自分の個人情報がネットと接続できるようになった中で、自己防衛兼攻撃手段としてスマホが拳銃代わりになりつつある。自撮り棒による攻め合いは滑稽ながらも現代風刺としても映る。
