このレビューはネタバレを含みます
岸井ゆきのが終盤に言った「あなたのことは嫌い、だけどありがとう」って言葉に人間関係のいろんな想いが詰まっていて、凄く好き。
劇中の岸井ゆきのは、とにかく性悪で高飛車だけれど、自分だけの力ではなにもできず、他人依存な要素で現在の立場があることをたくさんの人との関わりの中で思い知る。
一方的な善意を押しつけられすぎて鬱陶しいし、自分自身は全く好きではないけれど、今の自分がいるのはその人のお陰である。このことを認めることができた岸井ゆきのを通じて、気付かないうちに自分よがりになっている場面が多くないか、自分ごととして考えてしまった。
この映画の登場人物、モラルがいかれてる最低な人が多い(若葉竜也とか特に最悪だった)。そんな人たちにバカにされながら、思いを踏み躙られていくムロツヨシの姿が、とにかく悲しかった。