セサミオイル

神は見返りを求めるのセサミオイルのレビュー・感想・評価

神は見返りを求める(2022年製作の映画)
2.9
人間模様、対人関係の痛い痛い部分で紡いだ物語。
ひと筋の光明があったとは言えほとんど救いのないストーリーに、見終えて思わず「監督性格悪っ!」と声に出ました。監督誰かと調べてみたら吉田監督。怒りの風船がどんどん膨らんでいつ爆発するか分からなくてどんどん怖くなる感じがまさに彼の過去作『犬猿』と同種のものでした。
観ながら「怖い!怖い!」と何度か声が出てしまう事がありました。ムロツヨシ良いですね!!
監督は怒りの感情をめちゃくちゃ深掘りしますね。とてもリアルでだからこそ怖いんでしょう。何かの事柄に対して自分はあまりにも無力だと感じた時に怒りの感情が湧いてくると思うんですがまさにそんな感じ。
音楽演出はほとんど無く基本的にオフビート。それも沸々と湧き上がる怒りを最大限に表現し得る演出だと思います。

怖かったという感想が大半を占めてますがそれだけではないですよね。
人間の愚かさ、怖さ、孤独が生々しく描かれていました。
登場人物全員性格悪いんですが、特にドン引きだったのは「あいつあなたの事ダサいって言ってましたよ!」と他人が陰で言ってた悪口を善人ぶって本人に伝える奴です。「自覚が無いのが更にタチ悪い!」と怒られてましたが自覚ある方がよっぽど要注意だと思うぜ?