シスター 夏のわかれ道のりとのレビュー・感想・評価

息子が欲しかったがために自分を捨てた両親が遺した弟を見る視線。
弟を養子に出すことは、両親が自分を捨てたことにも重なって、選択は困難になる。
両親から選ばれた弟は疎ましくもあり、捨てられた自分とも重なる。
褒めて欲しかった認めて欲しかった両親はもういなくて、絶対にその願いは叶わなくて。
叶わない願いと追いたい夢と自分を必要としている弟の狭間で揺れる。
根底にある「家族」「跡取りは息子」「姉は弟のために我慢しろ」といった価値観が燻っている。
「私が欲しかったのは家なんかじゃない」