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マスター ~見えない敵~のクリームのレビュー・感想・評価

マスター ~見えない敵~(2022年製作の映画)
3.4
社会派スリラーと言うジャンルが、難しくて私はあまり得意ではない。特に黒人に対する人種差別的なものが、日本人の私にはピンと来ないのもあると思う。この作品は、その辺りが、あまり過激でなく、何処にでもありそうなリアリティがあった。が、正直面白いとは思えなかった。
3人の黒人女性を描いた社会派スリラー。アメリカの大学で、1人は入学したばかりの新入生ジャスミン。もう1人はこの大学で黒人初の学寮長「master」になったゲウ。さらにもう1人はその大学で非常勤講師を務めていて終身在職権を目指しているリヴ。彼女達を取り巻くお話。




ネタバレ↓





白人社会の本音と建前を告発する内容になっている。ジャスミンは白人たちに笑顔で迎えられるが、実は歓迎されていない。誰も彼女に対して攻撃的ではないが、排除しようとする強い意志が存在していて、それが画面越しに解るのが、凄くイヤな感じで、恐怖でもあった。ジャスミンは、それを魔女狩りの呪いと重ねて受け取り、調べあげ自分で自分を追い詰めていく。その様子を心配そうに見ていた寮長のゲウは、自分もジャスミンと同じ様に差別的な感覚を感じていた。そして、ジャスミンは自殺してしまい、リヴに助けられ何とか耐えていたゲウもリヴが黒人のふりをしている白人だと教えられショックを受けつつ腹をくくる。
大学のパーティーに参加したゲウは、自分は寮長などではなく寮を掃除する使用人に過ぎず、大学は多様性を謳いながら白人中心主義を捨てていないとぶちまけ、大学を辞めた。
ゲウが受ける嫌がらせが、ウジ虫を使ったものが多く、気持ち悪い。自分の肖像画の唇の部分からウジが出てくるのは、中々の悪趣味だった。
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