矢吹健を称える会

ナチに愛された女の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

ナチに愛された女(1943年製作の映画)
3.4
 シネマヴェーラで見たのだが、上映素材はBlu-rayとあるものの、ものすごい画質(悪い意味)で、目がバチバチに疲れてしまった。途中で画面の一部が明らかにモザイク処理されている箇所があり、いったい何が映っていたのか大いに気になる。おまけに、隣席にいた妙齢の男性が、胃腸が悪いのか1分に3回ほどげっぷをするので、映画なんか見てる場合なのだろうかとはらはら。結局最初から最後までげっぷは止まず、画面で起きている出来事に全く集中できなかった。人体はこんなにも常時ガスを生成できるのだろうか。映画が終って場内が明るくなったので、隣席の男性をまじまじと見てみると、土気色という表現が相応しい顔色で、思わず通院を薦めたくなったのだが、肝臓の数値が要検査レベルなのに今日もグリーン車で朝からハイボールでわやくちゃになっていたおれが、健康について他人に進言するような権利を持っているだろうかと自問した結果、黙ってやり過ごした。ちなみにこの御仁は周囲の、咳払いやひとりごとのような些細なノイズに対して「うっせぇッ」と(その人たちに聞こえるか聞こえないか程度の音量で)やたら悪態をついており、その不快感が私の仏心に水を差したフシも否めない。久しぶりに円山町のダークサイドに触れた思いがした。
 次の回も(ってか、何なら最終回まで)その人の隣だったが、なぜかげっぷは収まっていた。映画の質の問題なのか。

 マール・オベロンが狂美人なのでよかったです。