おなべ

その瞳に映るのはのおなべのレビュー・感想・評価

その瞳に映るのは(2021年製作の映画)
3.8
◉原題『Skyggen i mit oje』
 意味=目(瞳)に映る影。

◉1945年の第二次世界大戦下、デンマークのコペンハーゲンで実際に起きた悲惨な実話を基にした物語。目を背けたくなる現実に、肺腑を抉られる。

◉原題の通り、サムネイル画像の少女の目をよく見ると、その瞳にうつる影の正体が判る。物語に登場する可憐な少女とはまるで別人の顔。一度見たら忘れられない、強烈なインパクトのある題名とパッケージ。

◉冒頭からラストの結末に至るまで、ずっと重い。イギリス軍によるナチス・ゲシュタポ司令部の空爆作戦により犠牲になった罪なき民間人らが、子どもも女性も関係無く克明に映し出される(惨いシーンが多々あるため、苦手な人は注意)。

◉本作は、そんな目を背けたくなるよう実話を、世界に突き付けるべく制作されたと思うと、今もなお無くならない戦争・紛争は一体何の意味があるのかと悲しくなる。ロシア、アフガニスタン、シリア、ソマリア…今日も世界のどこかで、多くの子ども達に憎しみや復讐のイメージを植え付けている。ホントに…。
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