このレビューはネタバレを含みます
意外と面白い
前半は未来に希望を抱く家族が明るく描かれ、いざ新築の家を建ててからは不穏な空気が終始流れ続ける。
意外とミステリー要素があり、増える被害者に黒幕を探す楽しさもミステリー好きとしてはある。
またラストの救われないような戦慄のシーンも良かった。まさかあの登場人物は手にかけないだろうという近年の映画に漂う謎の安心感にもグサリといく感じが、不気味であるとともに気持ち良い。
(原作をなぞったといえばそれまでなのかもしれないが)
一方で、どうやら不気味な空気の根源は、地下というか床下収納と分かるのだが、ここが暗い。あれだけの広さの収納なのになぜ電気が無いのか。地下に下りる登場人物も暗いことがわかっているはずなのに、懐中電灯ひとつ持っていかない。
そして何よりなぜか電気はないのに全館空調でそこの気温は自由にいじれるという謎仕様、というか犯人仕様。
他にも警察の犯人特定までが遅かったり、家に引っ越すまでが長かったり、もう少し不気味さを煽る演出があってもよかったなと感じはしたが、暗さの中に目を凝らして何かを探す不気味さを追体験しているような気分になれて、暑い夏にはちょうどよい。
映画の設定は真冬のようだったけど。