まーしー

スイート・マイホームのまーしーのレビュー・感想・評価

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)
3.0
舞台は雪国の長野県。
暖房設備が充実した戸建て住宅「まほうの家」を購入した一家に起こる不可思議な現象を描いたスリラー。

主人公の夫婦(窪田正孝・蓮佛美沙子)は、二人の子どもに恵まれ、マイホームも購入した、絵に書いたような幸せな家族。
しかし、急転直下、その家族を襲う不幸の数々。怪しい人物の登場や、心霊現象のような奇怪な現象など、物語はサスペンスとオカルトホラーの両面で進行していく。
ほのぼのとした雰囲気から、徐々におどろおどろしい不気味さが漂い始める。

どの家庭にもありがちな綻びをきっかけに、事態が暗転していく展開は秀逸だろう。
些細なすれ違いや勘違いにより、雪だるま式に不幸が膨れ上がっていく。
そのストーリーを盛り上げるかのような、青い光や赤い光を使った演出も印象的。わざとらしさを感じるほど。

そして迎えたラストは衝撃的。決して後味は良くない。
だからこそ、余計に印象に残る。

監督が斎藤工と知って驚き。
俳優だけでなく、監督としても今後は活躍しそう。その多才ぶりには羨ましさすら感じる。

それほどグロいシーンはないので、ホラー初心者でも鑑賞できるはず。
ただ、映像よりもストーリーに恐怖感を抱くかも知れない。