きくらげ

スイート・マイホームのきくらげのレビュー・感想・評価

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)
4.0
ミステリとしては軽めで、途中から犯人の見当はつく程度。
全体的にはサイコサスペンスといった風だが、狂気的な人物の掘り下げが甘く(他に要素が多すぎて中途半端)その行動の突飛さに見合わないのでどうも薄っぺらい狂気感という印象。
特にオチは作中で大した役割もなしていない人物が急に最悪の狂気を見せるので『お前がそんなんするんかーい』と白けるような気分で、終わり悪けりゃ全て悪し、になりかける。

中盤辺りまでの定番サスペンスな作りは非常に好感触であったがゆえに、ガッカリ感も大きい。
夫婦と不倫、親子、母と父の違い、兄弟、家という空間、過去のトラウマとその真相、理想の家族への執着など詰め込みすぎた要素を削って的を絞れば面白かったろうにと思う。
窪塚洋介の格好良さに痺れたのが収穫か。
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