ウミ

オールド・ボーイ 4Kのウミのネタバレレビュー・内容・結末

オールド・ボーイ 4K(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

主人公オデスの復讐劇にドキドキが止まりませんでした。序盤平凡なサラリーマンが出てきたと思ったら監禁されそこまでのテンポが非常に早かった事から理解できなかった。日本料理屋で出会うミドとの関係も良くなっていくシーンも最初は理解できなかったが、後半から最後のシーンで一気に伏線が回収されていくという展開で理解できました。クライマックスの盛り沢山な内容が非常に見応えがあり面白かったです。自分の娘を愛してしまったオデスと自分の姉との関係を引き裂かれたウジンとの攻防を中心に描かれました。どんな思いでお互いが憎み合ったのかは2人の演技からよく理解ができます。グロテスクな描写が多いと事前情報で得ており、見てみましたが、そこまでとは感じませんでした。歯をトンカチで抜くシーンはリアルさを感じましたが、そのほかは映画の雰囲気やカメラワークがダークな印象を醸し出していました。タランティーノ監督が大絶賛したという理由がよくわかるほど、バイオレンスが描写されています。オ・デスが監禁場所へ戻った時のパク氏の舎弟にひとりで立ち向かう闘いのシーンは、スライド式のカメラワークで展開され、ある種のアート作品のような美しい流れを見ることができます。ストリートファイターのような戦闘シーンで新鮮なカメラワークでした。最後に全てを知ったオデスは催眠術によってミドとの関係を記憶から消せたのか消せていないのかは見る人に委ねている感じがして、個人的には消せていないのではないかなと感じました。日本が原作でありますが、韓国映画だからこその良さが出て日本作品として作っていたらここまでのバイオレンスさは表現し切れなかっただろうと感じます。韓国は、このような凶悪を題材にした作品が多く名作が多い。個人的にクセになってしまう系統だからこそ他にも調べてみました。調べてみると、このような類の作品はノワール作品と呼ばれており、やはり韓国を代表するものでした。作品を沢山調べてみたのでノワール作品についてもっと見てみたいと思いました。
本作品に限ると、復讐の側面も強いが、他人の痛みは自身も経験しなければわからないという部分がポイントな気がしました。
オデスが何気なく言いふらした噂によって苦しむウジン。ウジンはその苦しみをオデスに同じような経験をさせることによって実現させました。オデスも実際にその境遇に立つことによって、まさに「他人の苦しみは、自身も経験する事でわかる」という伝えたいメッセージが映し出されていたのではないかなと感じました。
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