ホイットモア大統領

男たちの挽歌 4Kリマスター版のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

4.9
2022/1/9 国立映画アーカイブにて「香港映画発展史探究」で鑑賞。
2022/4/30 109シネマズ広島にて鑑賞。


ティアドロップのサングラスをかけるのも、

タバコの吸い方も、

兄弟の大切さも、

狄龍 ティ・ロンという俳優も、

男には譲れないものがあるということも、


大切なことは、全部『挽歌』が教えてくれた。


ジョン・ウー監督は、今でこそ “鳩とガンアクション” の人として知られているが、本作のアクションは序盤とクライマックスぐらいで、横っ飛びはほぼ無く、爆発は回数も規模も控えめ。鳩に至っては出ないしね!

しかしその分、ドラマが充実。

弟想いの元マフィア幹部。
足に障害を抱え、落ちぶれたその相棒。
親父も出世も失い、兄を許せない警官…

という黄金トライアングルが魅せる信念のぶつかり合いに脊髄から熱くなるし、耐えに耐え抜いた末のクライマックスは、どうやったってドーパミンのダムが決壊する!

音楽も、ジョセフ・クーのシンセBGMと「當年情」があれば何もいらない。
むしろそのリフレインが、感情をより一層昂らせる。
最近は、チョウ・ユンファが観客として来ていて、「當年情」を楽しそうに歌うレスリー・チャンのライヴを見てさらに涙。

今回4Kリマスター版とのことで、国立映画アーカイブで鑑賞したものは雨のシーンを筆頭に、全編めちゃくちゃ綺麗だった。4Kの薬莢の煙や4K鼻血は必見。

けどなんだろう、香港映画に関してはフィルム画質の方が映える気がするんだ笑
特にリマスター版はサウンドも差し替えられてるので、関係各位はソフト化する際オリジナル音声版も出してください!!!


最後に…初見は高校生の頃だったと思うが、以来、悩み傷つき、迷った時に見返したい人生の教科書として、俺の心にヒエログリフの如く刻み込まれている作品である。

いや、そうじゃなくても見るけどね!!!!

そして、この邦題を付けた配給担当者さんに「乾杯」。

※キリ番だから俺を象徴する作品で!