14番線ーじゅうよんばんせんー

男たちの挽歌 4Kリマスター版の14番線ーじゅうよんばんせんーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

香港ノワールの「原点にして最高峰」として名高い作品というのは知っていたので、いつか観たいと思っていてようやく鑑賞。ノワール作品と聞いていたからもっと暗鬱としたくだりが多かったら嫌だな、と思っていたが、蓋を開ければマーク、ホー、シンの笑顔が多い序盤。特にマークの笑顔。おいしそうにタバコを吸い、親友と子供のようにふざけあい、燃やしたドル札でタバコに火をつけ、人の良さそうな笑顔をしょっちゅう浮かべるマークの表情がすてき。

なにもかもがうまくいっていた時代が終わり、うまく生きるのが難しくなってしまい、どんどんホーとマークとキットの表情が険しくなっていくのが悲しい。誰よりもド汚いくせして、格好だけは一丁前の紳士を気取るシンがものすごくムカつく(笑)

格闘戦、銃撃戦がド派手のド派手!これくらい大袈裟な方が娯楽映画としては正しい姿だ。ラストの銃撃戦のマークの顔は、不遇の時代に対する復讐を果たさんばかりの眩い笑顔にも見え爽快感。友情と兄弟の絆。過剰なまでの汗と血と泥と唾でグシャグシャな顔面になりながら銃をぶっ放す(撃つじゃなく、ぶっ放すがしっくりくる)ところとか、いまだと暑苦しいとか言われるかもしれない演出が最高だった。

原点にして最高峰とは、まさにこの作品のためにある言葉かもしれない。大満足。