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某バイオテクノロジー企業の依頼を受け、自然豊かな原生林が広がるオーストラリアのタスマニア島にやってきた孤高の雇われハンター、マーティン。
企業の依頼は絶滅したと言われるタスマニアタイガーを密かに見つけて捕獲し、その生態サンプルを採取する事だったが…。オーストラリア製のヒューマンドラマ。
先入観でてっきり密林の中でのハンター同士の息詰まる闘いを描いたアクション映画かと思ってましたが、ダークな仕事に生きる孤独な男の再生を描いたドラマでした。
アクション映画と思っているとガッカリですが、人間ドラマとしてはかなりの良作だと思います。
絶滅したと言われるタスマニアタイガーと、孤独なハンターの感情を絡ませる辺りも新しい試みでした。
ただかなり雑な部分も多々見られます…。
不穏な空気を確かに感じているのにも関わらず、何の対策も講じず流されるままの主人公にはヤキモキしますし、伏線も伏線になってません…。
少年の子役はスゴい上手いんですが、お姉ちゃん役の子は演技がナチュラル過ぎます(笑)
自然体なのかもしれませんが、弟役が上手い分、酷さが際立ってしまってますね…。
森が舞台にはなっているものの、主人公はチョクチョク下宿先へと帰るので期待してた閉塞感は皆無。
多分、ロボットかCGだと思うのですがタスマニアタイガーは実物かと疑うほど良く出来ていました。
特に最後、観念したような「もう終わりにしてくれ」と云うような表情と仕草にはホロッと来ました。
さらにやはりウィレム・デフォーさんの存在感と演技力は健在です!
一人のシーンが多いですけど、台詞が無くとも表現出来るのは流石ですね。
彼が主演じゃなければ、成立しなかった映画かも知れません。
ラストシーンは「マーキュリーライジング」似た感じでしたけど余韻もあり、個人的には好きなラストでした。
アクション映画と思い見始めたので面食らいましたが、なかなかどうして見応えある秀作ドラマでした。