せーや

ラスベガスをやっつけろのせーやのレビュー・感想・評価

ラスベガスをやっつけろ(1998年製作の映画)
4.1
ジャック・スパロウは
この映画で作られた…?

1970年代。
ジャーナリストのラウル・デュークと
彼の弁護士ドクター・ゴンゾーは
取材のためにラスベガスへ向かう。

1970年代に一世を風靡した
ゴンゾー・ジャーナリズムの第一人者
ハンター・S・トンプソンの著作
“Fear and Loathing in Las Vegas”の映画化。

ジョニーはトンプソン好きだなぁ。
ラムダイアリーやらGONZOやら今作やら…。

レンタル系には全然ないので
せっかくだから買うことにして
ようやく見れました。

今作はトリップ映画です。
最初から最後までドラッグとタバコと酒。
ずーーっとそれ。ただ、それだけ。

ニューシネマ期の映画を彷彿とさせます。
「イージーライダー」って会話の中に出てきますが
ほんとにイージーライダー並みのトリップ。

トリップ状態で、ただでさえフラフラなのに
ラスベガスのカラッカラの砂漠が舞台ということもあって
頭はフラフラ、喉はカラッカラになります。
酒を飲みながら見ると、それが酷くなります。

でも、ただのトリップ映画じゃないよ。
ナレーションとして入ってくるラウルのセリフは
おそらく原作を基にしてると思うんだけど、
とても詩的でセンスのある言葉ばかりです。

「自分は正しい側にいるという確信が熱狂を起こした」
ラウルは60年代を、そのように懐かしんでいます。

反戦運動やロックの全盛期など
様々な面で、若者に、人々に活気があった時代。
それが70年代になって、急速に衰えていく。
それは、なぜなんだろう。

60年代に対する郷愁
60年代とは何だったのか
70年代に対する思い

そんなことが、映画の中で触れられていく。

さらに、主演二人の演技は最高です。
まるで本当にトリップしてるかのよう。

ジョニーは初めてのハゲ頭。
髪の毛はちゃんと剃ったようです。
さらに原作者で映画のモデルであるトンプソンの
付き人になり、役作りをしたそうです。

そしてベニチオ。
この人もいいねぇ~。
ジョニーよりも激しくトリップする彼は
もうヒドいもんです(笑)。

ちなみにトンプソン本人と
クリスティーナ・リッチと
キャメロン・ディアスもチョイ役出演。
男旅に花を添えてくれますね。

これまたジョニーの名演が光る作品。

それにしても、
医者にタバコをふかしながら
ドラッグの危険性を訴えられてもなあ。
せーや

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