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夜を走るのクリームのレビュー・感想・評価

夜を走る(2021年製作の映画)
4.0
面白かった!何となく観始めたけど、出演者は全員クズ。そして、やっぱり宇野祥平さんは、いいですね。出てると面白くなります。想像していなかった読めない展開が秀逸。最近観た邦画の中ではかなり好きなタイプの映画でした。今時のクライムサスペンス+コメディ要素ありな感じです。
鉄屑工場で働く、真面目だが不器用な秋本は上司から苛めの様な扱いを受ける毎日。独身で実家暮らし、つまらなくて冴えない男。 同僚の谷口は妻子持ちで、世渡り上手。谷口夫妻はそれぞれが浮気している。ある夜の出来事をきっかけに、秋本と谷口の運命は大きく揺らぎ始めるのだった。



ネタバレ↓



工場に来た営業·理沙の失礼な態度に激昂した秋本が彼女を殴った挙句に殺してしまうアクシデトが起きます。しかし、この描き方がどうやって理沙が亡くなったのかを最後の方まで解らない様にしているので、知りたくて話にのめり込みます。2人は、クソヤロウの本郷に罪をなすり付ける為、彼の車に死体を移動します。本郷は翌朝ゴルフで、その車に荷物を入れようとした一緒にゴルフへ行く予定の社長が死体を発見します。が、コイツもクズで、ゴルフを優先する為、死体の廃棄を中国人の知り合いに頼んで自分達はゴルフへ。
秋本は罪の意識にさいなまれ、ニューライフデザイン研究所なる新興宗教へ入信します。この教祖が宇野祥平さんです。そこでの狂ったセミナーにハマッて行く秋本。自分の居場所を見つけました。何を思ったかフィリピンパブのお姉ちゃんをデートでその集会に連れて行きます。ところが研究所のメンバーは大激怒。ここで、秋本は研究所を追い出されてしまった。心の拠り所を無くした彼はご乱心。教祖の射殺に失敗するが、教祖が逃げたので、後釜に着いた。
結局、秋本が理沙を殴った後、意識を取り戻していて、恐らく谷口が殺したんじゃないか?と思わせる。が真相は解らず終い。谷口は執拗に警察で事情聴取を受けるも容疑すらかけられない。そして、谷口家は再び夫婦関係を少し修復し娘を連れて夜逃げした。がダブル不倫は解決していない。おわり。
真面目な人間が一瞬キレて、女性を殴った事で歯車が狂い、変わって行く姿がヤバくて楽しい。何も解決せずに終わるんだけど、考える余白があるのも◎でした。主演の2人の演技も素晴らしく、これは、拾い物をした映画。面白かった!
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