スローモーション男

私のはなし 部落のはなしのスローモーション男のレビュー・感想・評価

私のはなし 部落のはなし(2022年製作の映画)
4.5
 日本に根強く存在する部落差別問題を、当事者や歴史の資料を元に学びほぐす作品。

3時間半という長尺ながらも、この時間でなければ描けなかった実態が見えてきました。
部落差別を差別される「私」と差別する「私」から描いた傑作。
「私たち」の中でも意見は違い、発言するものと静かに風化させていくものと別れる。
この問題が行き着く先とは…。

今作品は部落差別が根強い関西地方の地域を軸として進んでいきます。
いままでどんな差別・偏見があり、裁判、事件を掘り出していく。
やはり高齢者の方々の話は胸が痛みますね。
しかも部落出身の人たちがそれほど重くならないように「あるある」のように話していてこれが素なんだなと思いました!

次世代の若者たちがどう問題に向き合っていくのかも知れた。
ラストのブルーハーツの「青空」は痺れましたね。彼らがこれから未来を掴んでいかなければならない。

僕は小6の時に、社会の授業で知りなぜそんなことが起きているのか分かりませんでした。そしてこの映画でも部落差別の実態や歴史は理解できましたが、なぜこのような差別が繰り返されるかは誰も分かりません。
この日本のおかしな風潮はいつ失くなるのでしょうか?これから未来を変えていかなければならない。できなくても理解はしてほしい。
多くの人に観ていただきたい。