tristana

螢火のtristanaのレビュー・感想・評価

螢火(1958年製作の映画)
5.0
前半は死後の影も含め三好栄子がすべてを支配するように見えて、悪意を完全に受け流してゼロにしてしまう淡島千景の強かさ。須賀不二男の人形詐欺も怖いが。坂本龍馬に話を乗っ取られそうでウンザリしてきたところで、母淡島千景と娘若尾文子との男にまつわる争い、同じ八住先生の夕凪と配役までピッタリ重なって興奮してしまった。仕事もろくにしないで浄瑠璃の先生と浮気、でも潔癖なのか掃除だけは大好きな伴淳の「産めるよな?」頼りにしてまっせとか気の利いた風なこと言われるよりもストレートで嬉しい。前向きというより完全なゼロからの出直しに近いエンディング、だからこそ響くものがある。
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