なんだこの怪作は……。
子供も楽しめるようなベタなギャグと共に、妙にブラックでシュールな笑いが入り込む。そのせいで全体的なメッセージは「何かを好きでいることっていいよね」というものであるのに、同時にそれって狂気なのではと思わされる。
この映画、妙に「今の描写なに？」という引っ掛かりがあるんだよね。多分意識的に作ってると思うんだけど。
というかはっきり言うけどこの映画怖いのよ！
ミー坊の「好き」によって割を食うことになる家族まわりの描写はとても怖い。水槽が置かれてカビてしまった畳は必見！怖いわ！
あとさかなクンが演じる「ギョギョおじさん」ね。
結局この映画は「好きなことがあるっていいね」という話なのは間違いないんだけど、「でも好きなことに没頭し続けるのは結構危ういよ、ちゃんと勉強したり人に恵まれないとヤバい奴になるよ」って描写もかなりあって、その”ヤバいやつ”をさかなクン本人に演じさせるというブラックさがあるわけですよ。いい映画！
そうすると「ハコフグの帽子こそ本体である」というネットミーム的笑いも、マジのホラーに見えてきたんだよね。あのハコフグ帽子が人間を操作して世界を征服しようとしている……。帽子の受け渡しが「次のギョギョおじさんはお前だ！」的なホラーに見えないこともないよね。
結構マジでこんな感想を抱いた映画なんですが、つまり、大好きです！
