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さかなのこのpenのネタバレレビュー・内容・結末

さかなのこ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

雨の中で傘をさすぎょぎょおじさんの姿を捉えたカットといい、父親が力任せに蛸をシメる場面といい、幼少期に直面する出来事の描き方が不穏。成長してから登場する床屋の近くで煙草吸ってる人は髪結いの亭主(妻の働きで養われている夫)であるのを匂わせてるし、これもまた不穏。
ミー坊の物語には常に不穏な影がつき纏っている。そんなミー坊が影の中に転がり落ちず、ずっと自分を変えずに突き進んでいくことが出来たのは、これまで出会った人々のお陰なのが見えてくる。人生の色々なところで配慮や支えがあったんじゃないかと想像。
だから最後にテレビでミー坊がカメラに向かって話す言葉は、このように進ませてくれた全ての人への感謝の言葉として感じられて、映画全体がその想いで満たされているように思えた。
また、ミー坊の周囲の人々にもその人なりの人生があり、全ては描かれないけど、そうした人たちの生きてきた過程も想像もしたくなった。

役者さんは全員素晴らしかった。そしてさかなクン氏があの役柄引き受けたことに驚いた(事前に脚本読んだみたいだし……)。

【追記 2022.09.12】魚が苦手の件は勘違いだったかもと思い修正
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