自分語りになってしまいますが‥。
自分もサカナが好きな子どもでした。
特にイカが好きでした。流線型のフォルムと大きなお目々と鮮やかな体色変化にときめいていました。将来の夢はイカでしたもの。
周りの友だちがアニメに夢中になっているなか、ひたすらサカナの絵を自由帳に描いていました。今でもサカナの絵であればそこそこ上手に描くことができると思います。
休みの日にはよく水族館に連れていってもらい、ガラスにへばりついてサカナを眺めて過ごしました。様々な種類のサカナがいてフォルムや生態がどれも魅力的だったのです。
水族館に行くとサカナの人形を買ってもらえて、ひとつひとつ増えていったサカナたちを部屋の中で泳がせていました。
サカナ図鑑を買ってもらいました。これはお気に入りの本でページがバラバラになるほどずっと読んでいて、今でも本棚に仕舞われています。
自分でお金を稼げるようになると憧れだったスキューバダイビングに手を出し、ライセンスを取得し念願の海中の世界へ行くようになりました。
人間はサカナやイカになれないことを理解してからは将来は海洋生物学者になりたいと思い続けていました。
現在はサカナとは関係ない仕事をしています。大学の進路を考える際、自分には無理であると諦めたのです。正確には好きなものが嫌いになるのが怖くて逃げてしまったのです。
人生は嫌なこともたくさんあります。好きなものへの道を進んだ先にも嫌なことも当然あるでしょう。好きなものを神聖化するあまり、踏み出すことができませんでした。
そして、自分よりも知識も深く愛も惜しみない人もいるでしょう。それこそさかなクンみたいに。そんな人に比べると自分が矮小な存在に思えるのです。
今は好きでも嫌いでもない仕事を毎日こなしています。時々嫌になりますがね。
このことに別に後悔はしていなくて、好きなことで嫌な思いをして嫌いになるよりはよかったと思ってます。
そんな人間からするとさかなクンの存在は本当に尊敬に値します。
好きなことをただ突き詰めることに、どれほどのエネルギーがいることか、どれほどの勇気がいることか。
好きなことをやり続けるというのは、簡単なことではないと思います。人間は金を稼ぎ、住居を構え、飯を食わねばなりません。更に税金を払ったり、保険に入ったり、病院に行ったりします。なので、ただ好きだからと言って四六時中サカナを眺めているだけでは生きていけないのです。
このベースをこなした上で好きなことをしている人は羨ましい気持ちももちろんありますが、それよりも逃げずにその道を進むことにした情熱に敬服するばかりです。
かつて、TVチャンピオンでみたさかなクンは幼い私にとっては憧れでありヒーローで、大人になった今でも憧れでありヒーローです。
ほとんど映画の内容には触れていないので感想としてはいかがなものかと思います。
今回はミー坊は私と同じものが好きでしたが、みなさんもかつて夢中になっていたものを思い出しながら観ると心に来るものが感じられるのではないでしょうか。
最後にこれだけは書いておきたいのですが、"さかなクンがハコフグを脱ぎます"!