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さかなのこのsueのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
3.6
さかなクンの半生にはあんま興味無いけど、主演が「のん」なら話は別。
2時間彼女を眺めていられりゃそれで良しと、軽い気持ちで観たらなかなか楽しい映画だった。

本編が始まって30分ほど、のんが出てこない子供時代のエピソードが続くが、ここが意外と面白い。特に主人公ミー坊が海水浴場で捕まえたタコの運命に大爆笑。

全体的にゆるゆるで、それがいい感じ。
豪華な役者陣が脇を固める中で、のんは楽しそうにミー坊として真ん中に存在している。

中でも水族館員の先輩、かが屋の賀屋 壮也との絡みがほぼコントで最高。
あと夏帆が子連れでアパートに押しかけてきたときのミー坊の一言「サバの骨茶しかないけど」がツボで、しばらく笑いが止まらなかった。初めて聞く日本語だったから…(思い出し笑い)。

この映画には、さかなクン本人も出演していて、一歩間違えたらタダの変わり者として世の片隅に埋もれていたかも知れない自分を演じている。演じているって言ってもまんまだけど。

「好き」を手放さずに生きていく。うまくいけば最高だけど、とても難しくて勇気がいる生き方だと思う。だからとても憧れてしまう。

子どもの「好き」を応援し、絶対否定しなかった母親の存在は大きい(井川腹が演じていて、あまりのミー坊全肯定ぶりが少し怖い笑)。

大手事務所とトラブって、本名「能年玲奈」を盗られてメジャーから無視されて、それでも自分にできること、好きなこと、興味のあることに取り組み、応援してくれる仲間と発信し続けて、ついにのんは復活しつつある。

今年は監督脚本兼任の「Ribbon」に本作そして「天間荘の三姉妹」と主演映画が3本も公開される。これはのんファンにとって勝利だ。
一方テレビは未だCMオンリー。映画の宣伝すらしてくれない。「王様のブランチ」くらいは取り上げてくれてもよくないかLiLiCoさん。

そんなわけで、ミー坊は独立独歩ののんにピッタリな役。男か女かはどっちでもいいのだ。
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