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さかなのこのrensaurusのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
4.3
何かに全てを忘れて没頭できるほど「好き」という天才的な才能に、神々しささえ感じる一方で、社会に居場所がない彼らの危うさも盛り込むことで、運や縁や環境が生み出した寓話的な半生に感動する作品。

のん演じるミー坊の、邪念が一切ない「さかなが好き」という想い。そして誰にでも分け隔てなく接する無垢さ。男も女も関係なく好きだと言える純粋さ。ミー坊の周りの人物のように、人間誰しもが社会や周りに合わせて擦れていくが、ミー坊は全くブレない。その稀有な才能が周囲を巻き込み、力をくれ、まるで天使かのように人を惹きつける。この役にはのんしかいないというぐらいの魅力があった。

その才能は悪く言えばわがままで視野が狭く、『社会で生きる力』が低い。しかし、だからこそ支えたくなるし、大多数の人間が憧れる何かを放っているのだと感じた。

何かが好きすぎるって行くところまで行くと神々しく見えるのね。
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