NaoMaru

さかなのこのNaoMaruのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
4.0
沖田修一監督作品

朝ドラ「あまちゃん」で鮮烈なデビュー(2013年)を果たした能年玲奈。本作は彼女が「のん」と改名(2016年)して6年ぶりに主演した作品(2022年)。前事務所との確執で女優活動を制限されていたが、ようやく彼女の演技が陽の目をみた。6年間、女優として輝くはずの期間が奪われたのは残念至極。でも、本作ではそれを帳消しにするほどの瑞々しい演技にときめいた。

物語は「さかなクン」の半生をモデルとして、小さなエピソードをつみ重ねてゆく。のんが演じる主人公ミー坊は、少年から大人になってもピュアなままで、好きな魚にまつわることを探求し続ける。しかし高校を卒業して水族館や寿司屋で働くことになるが、うまくいかない。それでもたんたんと懸命に生きる姿に魅せられ、母親や友達は応援せずにはいられない…。

ミー坊は男性設定なのだろうが、女性ののんが演じると中性的で不思議な感覚にとらわれる。ミー坊は恋愛が奥手というか経験に乏しいが、人間を見る目は確かなものがある。そんなミー坊はのんだから魅力的な人物になり得たのだろう。友人役の男性俳優たち、母親役の井川遥の演技も見逃せない。ミー坊の生きざまには終盤、こころの底からじゅわーんと静かに震えた。

【あとがき】
映画を観終えて「夢を持ちつづける」大切さを改めて知りました。みんなどこか途中で諦めてしまう夢。もちつづけましょうね。ミー坊の夢はさかな博士になること。勇気を貰えて、元気になる映画でした。魚は見るだけでなく、食べてこそ意味があるってことです(笑)。
じぇじぇじぇ!ではなくギョギョギョ!でした。
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