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セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのsymaxのレビュー・感想・評価

3.7
"頼れる人が貴方しかいないの…悪くない仕事よ…ただ…"

ひょんな事から代理のアルバイトを始めるサロール…結構高給だし、簡単と言われたその店は…怪しげなアダルトショップ…その店のオーナーはカティア…明らかに金持ちで、ちょっと謎な人物…その日の売り上げを届ける内に、単なる店員とオーナーという関係以上の不思議な友情が芽生え始めるサロールとカティア…

"ボンヤリしないで…俯いて自分の靴を眺めている間に大切な時間は過ぎていくわ…"

バナナで豪快に滑ってって…ベタな展開なのにスタイリッシュでやたらとカッコいいオープニング…で、コレが今まで全く観たことがないモンゴル映画との未知との遭遇な一本…私の中でモンゴルと言えば…草原、ゲル、スーホと白い馬、蒼き狼…後、相撲ですか?そんなイメージしかありませんでしたが…モンゴルの固定概念を良い意味でひっくり返してくれたのです。

うっすら髭?でゲジゲジ眉顔…あぁ、こういう子いたなぁ〜と何だか懐かしくなる程純朴そうなサロールがカティアの説得力有りまくりの金言で自分らしく生きる力を得て、垢抜けていくのです。

アダルトショップが舞台なだけに、"エロ"さが前面に出過ぎてしまったり、笑いのネタにし過ぎてしまうと汚らしさが出てしまいせっかくのストーリーが壊れてしまう怖さがあるところ、絶妙な"エロ"さの塩梅でむしろ一人の女性の成長を爽やかに魅せるという中々の構成力には恐れ入ります。

そうそう、要所要所で現れて歌い始める方は、モンゴルで有名なシンガーソングライターだそうですが、この演出…私は好きです。
……
大学生の頃、カラオケボックスで一緒にバイトしてたモンゴル人のバジリくん、元気かな〜全く日本語話せなくて、私はモンゴル語は勿論、英語もダメ…他のバイトは香港人と韓国人だったから店はなんかカオス状態で…他のアジア人がオラオラな中、ちょっぴりシャイなバジリくんは、いっつも後ろの方で恥ずかしそうにしてたけど、いっつもニコニコしてて…そんなバジリくんの顔をふっと思い出したのでした…
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