たくみ

セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのたくみのレビュー・感想・評価

3.5
【自分を生きる】
公開当時観れなかった作品。モンゴルの作品です。
モンゴルの風土も地名もわからない状態で鑑賞しました。
あらすじ的に性描写多そうですがほとんどありませんでした。

アダルトショップの客との会話劇を予想してましたがお店はそこまで関わってきませんでした。
どちらかというと店のオーナであるカティアとの成長譚でした。

謎多き女性であるカティアから「人生のいろは」を学ぶ。
少しずつ自分を外に出していく事の大切さに気付いていく主人公サロールの姿が良かった。
サロールの見た目や行動などの視覚情報で成長していく様子が充分伝わるつくりになっています。
説明ゼリフとかなくて見やすかったです。

特に”ヘッドフォン”の使い方が印象的でした。
前半はとにかくすぐヘッドフォンをつけるサロール。
社会と関わりたくないという心情が表れてました。
そんな彼女がカティアとの対話を重ねていく内にいつの間にか持ち歩かなくなっている。
赤ちゃんのおしゃぶりの様に、それなしでも社会を生きれるように成長した事を見事に表現している描写だと感じました。

自分のやりたい事や気持ちをきちんと整理して表現した後のラストの主人公の姿が良かったです。
何てことない映画ですが、これくらいシンプルな映画も偶には良いかもしれません。

【その他メモ・独り言】
・モンゴルも日本と同じように性に関する事は人前では話さない風潮らしいです。
・ちょくちょくバチイケ兄やんのPV挟まってくるのはモンゴル特有なのか?
・暴発笑い合える関係は素敵よ。
・考現学:考古学の対になる考え。
たくみ

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