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セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのqqfowlのレビュー・感想・評価

3.7
主人公は大学生サロール。同級生の頼みでアダルトグッズ専門店のバイトを引き受けることになり、店のオーナー、カティアと少しずつ打ち解けて…

初モンゴル映画。普通に面白かった。ウランバートルの街中が舞台だが、草原や湖などの場面もあって観光気分も味わえた。

考現学って何かと思ったら考古学に対応する言葉らしい。英語タイトルはセールスガールだけなんだけど、それだと内容を誤解されそうだから、邦画タイトルを付ける時に真面目なニュアンスを足したのかなと思う。


~ネタバレ~


サロールは大学で原子力工学を学んでいるがそれは親に勧められたからで、本当は絵を描くのが好き。アダルトショップのオーナー、カティアと行動を共にするうちに、恋愛は人生を豊かにすると知り、試行錯誤の後、意中の男子を自宅に誘う。が、両親にその現場を押さえられたことで、美術を学びたい本心を打ち明ける勇気を得る。一方、カティアは行方をくらませてしまったのでした。おわり(はしょりすぎ)


サロールの父親は元ロシア語教師でサロールもロシア語ができる。でも今は需要がなくなり?別の仕事をしている。クセ強おばちゃんカティアはモンゴル人なのにロシア名を名乗っていてロシア語もできるし、もとバレエダンサーだった。以前はソ連・ロシアとつながりが深かったのが、今は状況が変わったという国の事情が垣間見えて面白かった。

サロールとカティアが女性同士の友情を育み、奔放なカティアの影響で、奥手で保守的だったサロールが自己表現を恐れない大人に一歩近づく物語。ではあるんだけど、どちらかというと、カティアがサロールを気に入って高価な食事をご馳走したり性愛談義をしたり自分の過去を語ったりサロールのトラウマを癒やそうとしたり、ちょっと一方的な感じもあった。最後は消えちゃうし。

サロール役の俳優さんは目力が魅力的で、話が進むにつれてどんどんお洒落にキレイになるところはこの映画の見所だと思う。トイレとかお風呂とか、それ必要なの?ってシーンが幾つかあって同性としてはどうかと思ったけど。

主題歌の歌手が劇中突然現れて演奏する場面があり、独特だった。例えば誰かの友達という設定になってるならまだ分かるけど、そういうことでもなく。タイドラマでCM商品が劇中不自然に登場する通称忖度シーンと似たような感じだった。
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