たかちゃん

猫たちのアパートメントのたかちゃんのレビュー・感想・評価

猫たちのアパートメント(2022年製作の映画)
2.1
邦題:猫たちのアパートメント
韓国ソウル市江東(カンドン)区の逓村(トゥンチョン)団地。18万坪に143棟・5930世帯・約3万人が暮らす。しかし老朽化で再開発が決まり、2021年に撤去が完了。
本作は団地の草むら周辺に棲みつく250匹の野良猫を移住させようとする猫の見守り住民のドキュメンタリー。猫好きなら猫の動きを見ているだけで満足できるし、地域猫保護活動の一端を映像に留めることの意義も理解できる。が、しかし、ドキュメンタリーとしては不満が残る。
移住計画クラブ(トゥンチョン猫の会)が一匹ずつ捕獲し、移住させようとするが、移住先は猫にとって幸せとは思えない場所だ。移住計画はあっても、移住先の議論は見切り発車だったのではないか。そして、これまでの活動(餌やりなど)に対して、住民からの批判も当然あったはずなのに、監督は「猫が原因で人々が言い争う姿を見たいでしょうか」と、故意に避けているが、それは猫の会の活動に間違いはないという大前提があるからで、反対する住民の考えをシャットアウトしている。中立公平ではないのだ。結果として、会の広報誌を見せられているようで、何が言いたかったのか分からないまま終わるのだ。それと、韓国の人はこのマンモス団地の知識はあるのだろうが、日本の公開にあたっては、やはり簡単な団地の立地や住民の転居についての情報も欲しいところだ。
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