時に、画面いっぱいの診療台とその上に横たわる包帯。
動けない身体の代わりに言葉が流れ出し、
動かないカメラの代わりに邂逅と別離。
明るいと示すには忍びないが、灯りを消したい訳ではない。
煙のような映…
作家マックス・ブレヘルの闘病記録。
主人公はほぼ寝たきりだが、フィックスでのショット内には常に動きがあり飽きない。時折挿入されるブレヘルの著作からの引用が良い。特に好きなのはギプスを装着して性行為す…
これまでに観たラドゥ・ジューデ作品の中では、なんか突拍子もなくふざけた部分がないという意味で一番「ふつう」の映画に感じた。悪い意味ではない。
病気の主人公が痛がるシーンで申し訳ないが笑ってしまう。全…
今回もJAIHO配信作品。
今年公開された『アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ』のラドゥ・ジューデ監督が2016年に発表した作品。
28歳で亡くなったルーマニアの作家の自伝的小説を映画化し…
1937年の夏。青年エマヌエルは脊椎カリエスと診断され、黒海沿岸の療養所に収容される。
「ポット病っていう骨関節結核の症状っス」→「えっ…重病!?」→「回復するっス!」→腹に溜まった膿を穿刺して排出…
面白い。脊椎カリエス(?)患い青年の闘病記かと思ったら徐々に作品の色が変わってくる。出てくるキーワードはユダヤ人、鉄衛団、ヒトラー。必ず良くなると言われながら徐々に悪化の一途を辿っていく青年の体調と…
>>続きを読む【ラドゥ・ジューデの箱庭世界】
ラドゥ・ジューデ監督作。手しか動かせない男と混沌とする半径10mの世界を描いた作品。陰鬱な作品をイメージしていた(ルーマニア映画だし)のだが、全体的明るく、ウェス・ア…
03/27/2022
初めてのRadu Jude作品,結構良かった.ただカメラがずっと引いたところに配置してあって,登場人物たちを遠くから観察するような構図になってるのが若干奇妙に感じられた.どう…
[ルーマニア、世界を覆い尽くす濁流について] 100点
人生ベスト。ラドゥ・ジュデ長編四作目。若くして亡くなったルーマニアの作家マックス・ブレヘル(Max Blecher)の諸作に緩く基づく本作品…