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不知火檢校のmitakosamaのレビュー・感想・評価

不知火檢校(1960年製作の映画)
3.6
勝新がブレークのキッカケになった作品で、コレを元に座頭市を作ったというのだから如何に日本映画界にとって重要な映画だったとわかる。
今じゃ考えられないけど、この作品まで勝新は鳴かず飛ばずだったらしいからねぇ。

盲目(目くら:劇中ママ)の男(勝)が自らの欲望のまま悪事を重ねる、アウトローの成り上がりと挫折を描く物語。

最初は子供の頃から。子役が演じているので、悪知恵がきくが若干憎めない感じはある。
が、大人になって超ゲスい。
按摩を装い、相手を油断させ殺しに強姦。人の弱みに付け込む腹黒さ。
窃盗団と関わるが、根が悪党なので信用されるのも早い。あっという間に仲間になる。

検校とは、当時の盲者がなる最高位だったらしい。
この師匠が荒木忍。師匠を殺して自分が検校になっちゃう。悪いのう。

しかしどうしてこうも座頭は悪者になるかね。累ヶ淵や怪談蚊喰鳥など、ろくなもんじゃ無いわ。やっぱり金貸しは何時の世も恨まれるんじゃのう。

とにかく悪いの一言なのだが、手込めにするシーンの演出等は凄いハラハラさせる。
また、オープニングとエンディングがお祭りを舞台にしているのも印象的。
目が見えないことと、祭の喧噪がとっても対照的で面白いわ。
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