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くじけないで手紙を書いたのmareのレビュー・感想・評価

くじけないで手紙を書いた(2011年製作の映画)
3.5
歌人が日常の1ページを詠むように、感情は日々めくられ、言葉の連なりも毎日のように変容していく。緻密に折り重なった映像という表現よりも、詩という表現はもっと瞬発的な力を宿してその時その時の一瞬の煌めきを切り取った趣がある。ふと頭をよぎる言葉はそのタイミングを逃せば二度と同じような形で現れないように。だから彼は呼吸するようにその断片がまるで溢れてしまうかのように吐き出しているのだと感じた。この作品はドキュメンタリーだけど脚本が練られているらしく、リアルに直結するものこそ誠実に向き合うという監督の姿勢が窺えた。
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