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背 吉増剛造×空間現代のSNのレビュー・感想・評価

背 吉増剛造×空間現代(2021年製作の映画)
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カメラと吉岡剛造の間に置かれたガラスのキャンパスに何かが描かれている。
吉岡は時折、筆を止め、カセットテープの声を自らの声で読んでみたり、朗読した過去の文章を腕のピンマイクに吹き込む。いや吹き込むというより叩き込んでいる。
それはまるでキャンパスから見つめられ返された表現者が結局は何かのサンプリングもしくは過去の創作からしか出発できぬ、もがきの姿、声のように見える。
その背後では暗部によって見えない空間現代が音楽を奏でている。

吉岡剛造の舞台挨拶付き。
生で見ると本当に自由な人で面白かった。舞台挨拶であんなに前の方まで来る人見たことないよ。
しきりに(ガラスの)あちら側と言っていた。あちら側の音が実像を持つ。
小津の東京物語で二度フレーム外で鳴ると言う犬。
素晴らしい。
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