脱皮の殻

背 吉増剛造×空間現代の脱皮の殻のレビュー・感想・評価

背 吉増剛造×空間現代(2021年製作の映画)
3.3
83歳の現役詩人 吉増剛造とロックバンド空間現代の即興朗読ライブ「背」のプレパフォーマンス映画。

理解はできなかったがなんか凄いものを目の当たりにした気持ちになった記録映画。

窓ガラスに描かれた詩、
窓ガラス越しの島、
カセットテープから流れる誰かの詩、
詩を叫ぶ1人の男性。
窓ガラスに描かれていく何か
窓ガラスを叩く音
惹き込まれるバックミュージック

何の情報もなく観ていたので、本当に目の当たりにしているものがなんなのかわからなかった(これがライブであることも観終わった後に知った)。
ただただ圧倒され、やや放心状態になったのだが、後でこれが詩のライブと知って、かなり前衛的な朗読ライブだなと思った。
カセットテープから流れる誰かの詩や叫ばれる詩がもはや文章として頭に入ってきてなかったので、詩を読んでることにさえ気づかなかった。これが詩のライブだと思って観てたらまた違った見え方だったのかもなとも思った。

吉増剛造さんの表現にBGMがピッタリで、激しいとこは激しく、静かなとこは静かにと吉増さんの表現を全く邪魔せず、むしろ引き立て、BGMと吉増さんの表現が相まって独自の世界観が生まれていたような気がして、本当に即興だったとは思えないぐらい空間現代さんの演奏が素晴らしかった。

画の切り取り方がまたユニークで、そこで作られていく表現をより引き立てていたように感じ、この切り取り方でしか味わえない気づきもあったように思う。画の切り取り方でこうも見え方が変わるのかと驚いた。

ただただ凄っ!としか思えない自分の感性に「こらっ!」と言いたくなってしまった一作。

こういう作品から色々受け取れるような見方ができるようになりたいわ~

長々とすみません。
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