グラッデン

I AM ZLATAN/ズラタン・イブラヒモビッチのグラッデンのレビュー・感想・評価

4.4
サッカーに関する国内外の映画を取扱った「ヨコハマフットボール映画祭2023」で鑑賞。

現代サッカーの「神」として君臨し続けた名選手、ズラタン・イブラヒモヴィッチの自伝映画。ベストセラーを記録した同名自伝『I AM ZLATAN 俺はズラタン』を原作としており、劇映画でありながらドキュメンタリーのような緊張感を醸し出す作品に仕上がっていた。

特に、周囲への不満・怒りをエネルギーに変えるという、彼の人生を語るうえで欠かすことができない側面を、商業映画の枠組みであっても、綺麗事に逃げずに正面から描いた点は良かったと思う。そうした事象を台詞回しではなく、目と背中で伝える演出も良かったと思う。

また、彼の育ったスウェーデンの製作だからこそ伝えられる映像の質感が抜群の説得力をもたらしていた。なお、試合シーンのスピード感や視点も見応えがあってエモーショナルさを演出しており、単体のサッカー映画としても見応えがある作りになっていた。

多くの人が見れないのが勿体ないレベルの良作でした。