このレビューはネタバレを含みます
予告で、青春ものかなぁなんて予想していたよりも、はるかに良かった。
凛々しく美しい映画だった。
災害で亡くなってしまった家族とのエピソードが、父を亡くしたばかりの私にかなり刺さり、戻ってくるのを待っていた椿のシーンで驚くほど泣いた。その後、二人が賞に向かってひたむきに水墨画に向かう躍動感あふれるシーンにも涙が止まらず。
こんなに泣くとは思っていなかったので、自分でも驚いた。
一緒に行った友人は、最初のモノローグから泣いていたらしい…
潔く清々しい水墨画は、真っ直ぐでひたむきなイメージの横浜流星さんにとてもマッチしていた。
そして清原果耶さんのなんと凛々しいこと!年下の姫に流星さんが敬語を使う感じもとてもよかった。
この二人の関係が汚れなく、尊い。
最後、各キャラクターをイメージした水墨画に合わせてキャスト名が出てくるエンドロールがとても良き。ああ、いい映画を見たな、としみじみ感じた。
若い人が見てくれるといいな。
何かを始める時のワクワクとまっすぐ取り組むことの尊さを押し付けることなく見せてくれる。
これという特技も打ち込むものもなくここまで来てしまった自分…10代にこの映画に出会いたかったな、と思った。
↑
下は公開前の所感
原作を読み、スターウォーズを思い出しました。天涯孤独になってしまった少年が、導師に導かれ、才能を開花させていく。
閉ざしていた心が少しずつ開かれ、仲間ができ、人生を取り戻していく。
瑞々しく紡がれた原作の人物造形、繊細な心の動き…あの小泉監督がどのように映像化してくるのか、とても楽しみです。
あと、水墨画を見る機会があまりなかったのですが、TGCの横浜流星さんと清原果耶さんのパフォーマンスがすごかったので、そちらも楽しみにしてます。